2005年12月4日 (日)
不安 (前)
(文字数制限の関係上、今日の日記は二つに分けました。)
スイス女性との付き合いでよく感じることは、彼女たちが不必要な不安をたくさん抱えているということです。 もちろん彼女たちにとってそれは、不必要どころか、時には最重要なことですらあり、それを解決しないでは、日々の生活自体が滞ってしまう程なのですが。
前回書いた義母の電話にしても(過去の日記、2005年11月17〜19日『恐怖の誕生日(前・中・後)』参照)、最初は「嫁の誕生日に、おめでとうを言ってやりたい」というだけの筈だったのに、私が電話を取らないでいる内に、「何が何でも、今日中に嫁をつかまえなくてはいけない」という心境になり、終いには、20分おきに電話を掛けずにはいられない、という状態になってしまいました。
これは、どういうことなのでしょう?
物事が自分の習慣、もしくは思い通りに進まなくなりそうになった時、彼女たちは、それをそのまま放っておき、成るように成らせるということが出来ません。 「放って置いたら、取り返しの付かないことになってしまうかも知れない」、という不安に襲われるのです。 そしてその不安で自分を縛り、端から見ると大げさな、場合によっては、尋常でないような印象を与える行動に出ます。 冷静に状況を判断して、合理的な結論を出す、というようなことは忘れられてしまいます。
今回、私が夫B氏の職場について行ったため、家を留守にした際にも、こんなことが起りました。
月曜日の朝に家を出、金曜日の夕方には戻ったのですから、私が家を開けたのは、実質たった4晩です。 私は事前に天気予報を見、留守の間に雪が降りそうだと知っていましたので、家中の水道を出し放しにし(我が家の水道管は、そうしないと凍ってしまうのです)、残りは普通の戸締まりをして出掛けました。 問題は、どこにもありませんよね? 普通の家庭が、数日間家を空ける時にすることをして行ったのです。
ところが、私が金曜日に家に戻ってみると、小包が玄関内の床に置かれ、階段上の廊下は暖房が入れられ、暖房器具の前に置かれていた箪笥は、ずらされていました。 そして、電源が落ちでもしたのでしょうか、何故か冷凍庫の中身が全て解凍されてしまっていました。 私達夫婦の留守中に、下の階に住むお婆ちゃんが様子を見に入り、それらのことをして行ったことは、私にも分りました。
我が家の玄関内は、壁も床も天井も全て石(セメント?)で出来ていますので、かなり寒くなります。 また、B氏の仕事の関係上、我が家には温度や湿度に敏感な物が、小包として送られてくることもあります。 日本でもそうでしょうが、スイスでは家人が留守の時、郵便局は「小包を預かっているから、取りに来るように」というメモを入れて行きます。 これでしたら、郵便局の管理態勢が悪く、小包の中身が駄目になった場合、私達は代金を払わないで済むでしょうが、我が家の玄関内に放置されていたのでは、もしもの時に問題はややこしくなります。
廊下の暖房器具は、日頃から私達は使っていませんでしたから、電源はずっと切られていました。 その前に箪笥が置いてあったのも、その箪笥はアンティックといっても良いような代物で、温度や湿度の変化が少ない場所の方が良いため、わざとそこに置かれていたのです。 つまり、廊下の暖房を入れるなら、箪笥は別の部屋に移さなければいけないのです。
そういう諸々の事情も知らず、お婆ちゃんは、こう思ったのでしょう。 「みんつが家を留守にしているようだわ。見に行ってあげないと、大変なことになっているかも知れない」 そして色々と、お婆ちゃんなりの基準で良かれと思うことを、我が家にして行ったのです。 ちなみに私は、今回は短期間の留守ですから、お婆ちゃんには告げずに行きました。
〜後に続く〜 |
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