2007年4月2日 (月)  バターの正面

昨日、朝食の用意をしていて、ふとある事を思い出しましたので、今日はそのお話を。

私が、まだスイスに来たばかりの頃の事です。

ある時私は、知人夫妻宅で朝食を摂っていました。
その日そこにいたのは、確か、知人夫V氏、その子供3人、私、共通の友人U氏の6人で、朝食のメニューはパンにバター、ジャムや蜂蜜という、まあ、スイスではごくごく一般的なものでした。

V氏は、小さい子供達に食事をさせるので手一杯でしたし、その家は、当時皆の溜り場の様になっていましたので、私もU氏も、勝手知ったる我が家とでもいう風に、各々皿やナイフを取って来ると、朝食のテーブルに参加しました。

そして、数分後。

V氏が突然、声を上げました。
その様子は、怒鳴るという程ではありませんが、不機嫌というか、強い語調です。
「バターを反対側から使ったのは、誰だ?!」

当時の私は、さほどドイツ語が出来ませんでしたが、それでもV氏が何を言ったのか、文法的には理解しました。
ええ、文法的にはです。
「誰が」「バターを」「反対側から」「使いました」「か?」といった具合にです。

しかし、その問いにどんな意味が含まれているのか、何故彼がそんな事を聞くのか、彼が不愉快そうな声を出したのはどうしてなのか、そういった事は、全く理解していませんでした。
ただ、「どうやらその問いは、誰かを非難している様である」という事だけは、声の調子から分りました。

U氏は、少し驚いた感じで、食事の手を止めると、V氏の発言の真意を理解しようとしています。
私は……

まず、「バターを反対側から使う」、この意味が分りません。
バターの反対の側というのは、どういう事でしょう?
バターには、正式な側と、そうでない側があるのでしょうか?
もしそうだとすると、その目印は何でしょう?
私にはただ、使いかけた薄黄色い長方形の固まりが、プレートの上に乗っている様に見えるだけです。
また、仮に、バターには正式な側があるとして、反対側から使うと、どんな不都合があるのでしょうか?

私たちが黙っていると、V氏はもう一度、今度は静かな調子で聞きました。
「バターを反対側から使ったのは、誰?」
U氏は、戸惑った顔で私を見ます。
私も真意が分らない以上、迂闊には返事が出来ませんから、とりあえず、こういう場合の時間稼ぎ、「質問には質問で答えよ」作戦です。

「反対側っていうのは、何処?」
「バターは、最初、こっちの側から使い始めてあったよね。使っていなかった方の側から、バターを取ったのは、誰?」
「バターを反対側から使うと、何かまずい事があるの?」
「僕は、バターを両側から使うのは、嫌なんだよ」

「両側から使うと、傷みやすいとか、そういう事?」
「そうじゃないけど、バターは、片側からだけ使いたいんだ」
「両側から使っても、不都合があるわけじゃないのよね?」
「バターは、片側から使うもんなんだ」

何の事やらさっぱり分らないまま、私は、恐る恐る告白しました。
「こっちからバターを取ったのは、私だけど……」
すると、U氏が間髪を入れずに言います。
「アウスレンダー(Auslaender:外国人)だよ!」

これで私たちは皆笑い、V氏も「まあ、どうでも良いことなんだけどね」と、自分の大人気ない態度を恥じる様に弁解していましたが……

……スイス人宅で食事の際には、その家の主に「バターに正面があるかどうか」、一応聞いて置きましょう。

2007年4月4日 (水)  ひまわりの行方

知人カップルM氏とE嬢は、去年の秋から、庭のある部屋に住んでいます。
そして、今年から畑に挑戦するそうで、そろそろ何を植えようか、話し合っている様です。

とまあこれだけなら、ごくごく普通の、仲睦まじきカップルなのですが……
M氏とE嬢は、何と言いましょうか、話し合いが出来ないというか、譲歩し合って真ん中を取る、ということが出来ないカップルなのです。

どういうことかと言いますと、

E嬢は、可愛らしい女性ではあるのですが、何かを自分一人の力で成し遂げる、という能力に欠けています。
ですから、何か希望がある場合、周りの人達がそれをしてくれる、という事を期待しています。
で、パートナーであるM氏は、常にその矛先を向けられているわけですね。

M氏は、良い言い方をするなら亭主関白ですが、実際は、我が儘な子供の様な性格で、自分の思う通りに皆が動く事を、幾分期待しているところがあります。
ですから、パートナーであるE嬢が、自分とは異なる事柄を希望する度に、そして、その希望をM氏が叶えてやる事を待っている態度に、毎回苛立ちます。

つまり、M氏は、E嬢が自分の言う事に大人しく従うのを期待し、E嬢は、自分の希望をM氏が叶える事を期待している、というわけです。

そして、2人はスイス人ですから――正確には、E嬢はイタリア移民の2世ですが、スイスで生まれ育っていますので――「パートナーたるもの、何事も2人で一緒にするのが良し」という概念があります。

で、畑です。

M氏は、2人で一緒に、野菜を植えたいと考えています。
人参、かぶ、ほうれん草、サラダ……自分の好きな野菜を、たくさん頭に描いています。
E嬢は、女の子ですから、野菜だけでなく、「苺やハーブ、お花も少しあったら良いな」と夢を膨らませています。

しかし、それらを全部植えるほどには、彼らの畑は大きくありません。
そこで、2人の間に葛藤が生じます。

「苺が数粒収穫出来たって、意味がないだろう。それよりも、そこにサラダを植えた方が良いじゃないか」
「あら、苺は美味しいわよ。それともペパー・ミントなんてどう? 美味しいお茶が飲めるわよね」
「ペパー・ミントなんて植えたら、そこら中にじゃんじゃん根を張ってしまうだろう」
「お花も少し植えましょうよ」……

さて、先日町で買い物をしていた私達夫婦は、偶然M氏に会い、一緒にお茶をしました。

「みんつは、もう畑を始めたのかい?」
「うん、もう始めてるよ」
「近所の人に聞いたら、まだ早過ぎるって言うから、うちは待っているんだけど」
「ああ、そうね。普通はまだ早いけど、今年は異様に暖かいから、私はもう始めちゃった。種なんて幾らもしないし、生えて来なかったら、また買えば良いかと思って」

「今年は、何を植えるんだい?」
私が次々と挙げる野菜の名前を聞いて、M氏は言いました。
「E嬢がさ、ひまわりを植えるって言うんだよ」
「良いじゃない。種を乾燥させたら、保存出来るんじゃない?」
「ひまわりなんて場所を取るし、他のものが日陰になっちゃうよ」

「ああ、それもそうだね。新たな畑を開拓する?」
「否、俺は、ひまわりなんか植えたくないんだ。でもE嬢は、もう、ひまわりを植える気満々でさ。俺が言っても聞かないんだ」
「で、どうするの?」
「勝手に植えさせて、芽が出て来たら、E嬢が気付かない内に全部引っこ抜く!」
……やれやれ。まあ、それはそれで、一つの解決策ではありますが。

ちなみに我が家でも「ひまわり案」は、夫B氏から出ました。

「みんつ、今年はひまわりを植えて、冬になったら、鳥の餌にしようぜ。冬、庭先に野鳥がたくさん来たら、楽しいと思わないか?」
「うーん、私は別に良いけど。で、その鳥は、猫たちの餌になるの? 下のC氏は、コウモリも狩れるから、きっとすごい劇が見られるね」
「あぁっ、そうだった……」

……我が家のひまわりは、から煎りにでもして、ビールのつまみにします。

2007年4月5日 (木)  2007年度『ミスター・スイス』 中間報告

今回は良いですよ。

このサイトで、スイス人男性の裸体を載せるようになってから、私はずっとこういう写真を待っていました。
そう、こういうのをセクシーと言うのです。

男は、「ただ脱ぎゃ良い」ってもんじゃぁありません。
それは単に裸であって、艶っぽさっていうのとは、やっぱり違いますからね。

まあ、強いて言うならば、皆同じ格好でなく、それぞれ趣向を変えてやって欲しかったですが、そこはスイス人ですからね、こんなもんで良しでしょう。

ちなみに今回のコンテストは、脱落者が出た様です。

では、勿体付けずに、こちらからどうぞ(↓)。

『男の色気はこうだ!』
(時間が経った為、画像は外しました。)

尚、「誰が誰だったかしらねぇ?」という方は、こちらもどうぞ(↓)。

『2007年度ミスター・スイス、候補者達』
(時間が経った為、画像は外しました。)

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皆様へ

明日からスイスは、復活祭の休暇に入ります。

ということは、そう、夫B氏が家にいます。
そうなると、私は、呑気にPCばかりやるわけには、いきません。

しかも今回は、義叔母宅のパーティーに招待されています。
チョコレートだのゆで卵だのを、たくさん食べるはずです。
・・・・・・胆嚢を取った私、ゆで卵は1個半ぐらいしか、消化出来ないと思いますが。

ですから日記の更新は、来週の火曜日以降になります。

では、良い週末を。
                 みんつ

2007年4月10日 (火)  困惑

いつも私の日記を読みに来て下さる皆さんの中には、「最近みんつさんは、お義母さんの事を書かないわね」と思っていた方も、いるのではないでしょうか?

実は私、去年の暮れにナンバー・ディスプレーの電話を買いまして、平和な日々を送っていたのです。
ええそうです、簡単な話、義母の電話は取らないでいたわけですね。

重要な話なら、義母は、夫B氏の携帯に掛ければ良いのですし――私に掛けても、どうせ二度手間になるだけですから――私と話がしたいのなら、私が不快になる話をすべきではないのです。
もう私、良い嫁は辞めて、普通の嫁で良しにしましたから。

そんな義母に私は、日曜日、義叔母(義母の妹です)宅のパーティーで2、3ヶ月ぶりに会いました。

前にも書きましたが、スイスでは挨拶の時、握手の他に頬にキスをする習慣があります。
大雑把に説明すると、親しくない人とは握手、親しい人とは頬にキス(左右に計3回)をするのです。
そして、一旦キスをする関係になったら、握手に後戻りする事は失礼ですし、基本的にはあり得ません。

家族は、たとえ義理であっても、もちろん親しい人達ですから、まあ、頬にキスをするのが一般的です。
義叔母と義叔父は、多分私を気に入ってくれているのだと思うのですが、いつもの様に「良く来たね!」と力一杯抱きしめて、両頬に濃いぃキスをぶちゅ〜っとしてくれました。
彼らの成人した子供達も、「みんつ、久しぶり!」と、抱き合う程接近した、親しげなキスをします。

ところが、ここで厄介な事が起こりました。

義叔父・義叔母の家族とかなり親しげなキスをしたのですから、私としては、彼らよりも頻繁に関わりのあるB氏の家族(義父母、義兄夫妻)とも、やはりキスの挨拶をするつもりでいたのですが……

正直に言うなら、私には、もうさっぱり分りません。
彼らが単にそういう性格なのか、私に何か問題があるのか、その日は気分が悪かったのか……

義父と義兄は良いのです。
控え目ではありますが、いつも同じ調子で、親しみを感じるキスを交わします。
問題は、やはり義母と義姉です。

義姉は、その時々の彼女の感覚で、キスだったり握手だったりするのですが、はっきり言うならば、私は、彼女の気分で動く人形、ではありません。
そういう事なら、彼女とは、毎回握手の関係でいたいです。
だって、そう思いませんか?
彼女の気分で私達の関係が変るのなら、私は彼女を親しいとは感じませんから、握手で良い筈です。

そして、義母。
こちらは、もっと分りません。

キスをしようと身体を屈めた私を押し戻すと――義母は座っていましたので――私の手を握手する様に握り、しっかりと距離を取って、お義理程度に頬だけを軽く付けるキスをしました。
……昔、キスの挨拶を始めたのは、義母の方ですけど。それに私、別に義母とキスをしなくても、構いませんけど。

いつも私達夫婦と、夢の家族ごっこをしたがる義母が、いつだって誰よりもよそよそしいのは、何故なのでしょう?
そういう希薄な関係の嫁に、毎週電話を掛けてくるのは、どういう事なのでしょう?
久しぶりに会ったのに、とても天気の良い午後なのに、何だか私は、悲しい気分になりました。

スイス人のキスの習慣、私は案外好きなのですが、こういう場合、本当に戸惑います。
私は外国人ですから、つい彼らのペースに合わせて、誰とでも気軽にキスの挨拶をしてしまいますが――実際スイス人は、簡単に、握手からキスの挨拶に移します――こんな事なら、最初から自分で主導権を取って、慎重に握手の関係で留めておけば良かった、と思ったりもします。

郷に入っては郷に従え。
……残念ながら、必ずしもそれが良し、ではない様です。

2007年4月12日 (木)  喧嘩の心得

我が夫B氏は、大人しい男性です。
いえ、大人しいと言うより、気が弱いと言った方が、良いかも知れません。
背は高いですし、骨格も決して華奢ではありませんから、他の男性に比べ、体格的には有利な筈ですが、何故かそうでもないらしいのです。

え、何の話か、ですか?
喧嘩の話です。

もし、何か不都合が起こって、それを収める術が腕力しかない、となった場合――まあ、そんな事が本当にあるかどうかは、別として――B氏の置かれているポジションは、産まれながらにして、女性は元より、大抵の男性よりも有利だと思うのです。

身長187cm、体重90kg弱ですよ。
年齢だって、男盛りの良い時期ですし、厳つく見せる為に、泥棒髭も生やしています。
相手が特別に鍛えている、というのでもない限り、B氏が敵を恐れなければいけない理由は、身長160cmで、女である私には、ない様に思えるのですが。

しかし、現実は違うのです。
先日たまたま用があり、仕事中のB氏に電話をしたところ、B氏は頼りない声で言いました。

「今さ、嫌な事があったんだ」
「どうしたの?」
「俺、今日は、そんなにうるさく仕事をしている、ってわけじゃないんだよ。そりゃ、ちょっとは音が立つけど、そんなに大きな音じゃないんだ。時々、クリッて鳴るぐらいさ。それなのに、別の会社の人から、『出て行け!』って怒鳴られたんだ」

「ええっ、いきなり怒鳴られたの?」
「そうだよ。その後も俺の後ろをついて回って、『うるさい。こんなんじゃ集中出来ない。休憩にでも行け』って、怒っているんだ」
「で、B氏はどうしたの?」
「『休憩には行かない』って言って、後は無視しているけど……俺、どうしたら良いと思う?」

「B氏が出て行く必要はないわよ。その人、現場で一人になりたいなら、そういう日程が組める様、貴方なり現場の責任者なりに、自分で予め手配をするべきなんだから。貴方だって、仕事をしているんだから、その時間はお金が支払われているわけよね。関係ない人の為に休憩なんて、出来ないわよ。もしそうして欲しいなら、その人は貴方の好意に甘えるわけだから、口の利き方ってもんがあるしね」

「そうだよな。俺が出て行く必要なんて、ないよな。でもさ、そいつ、すごく怒っているんだよ」
「その人は、大きい人なの?」
「否、俺の胸までぐらいしかないんじゃないかな。小さい、ひ弱そうな男だよ」
「じゃ、怖がる必要なんてないじゃない。これ以上がちゃがちゃ言う様なら、上から睨み付けてやれば良いのよ」

「みんつはこういう場合、殴られたらどうしようとか、考えないのか?」
「ほんのちょっとでも殴られたら、相手が後悔するぐらい、ボコボコにやり返してやるもの」
「恐くないのか?」
「全然! 弱い犬ほど吠えるって言うじゃない。そんな相手、負ける気しないわね。殴り返すのが楽しみなぐらいよ」

「そういう気迫みたいなの、みんつは、訓練して得たのかい?」
「ううん。子供の頃から、こうだったわよ。喧嘩に負ける気がした事は、一度もないわ。だからかな、そういう人も寄って来ないわよね」
「やっぱりな。俺は、ちょっとびびっちゃうっていうかさ、今も、心臓ばくばくなんだ。相手もそういうの、感じるんだろうな。俺、いつも良いカモだから」

「そうねぇ、喧嘩は気迫だからね。あのね、電話が終わってもその人がうるさくしたら、仁王立ちになって、その人の目をじっと見つめて、一言も言葉を発しちゃ駄目よ。その人が、礼儀正しい話し方をするまでは、ずっと黙って立っているの。出来そう?」
「出来るかな?」
「そういう人はね、本当に殴りはしないから。良い? ポイントは、一言も話さないと、目をじっと見るだからね。頑張って!」
「うん、やってみるよ。次からは、みんつを連れて仕事しようかな」

……私は、ピット・ブルかい。

2007年4月17日 (火)  2007年度『ミスター・スイス』 決定!

はい、タイトル通り、今年の「ミスター・スイス」が決まりました。

色々とコメントしたい様な気もしますが、あえて何も言わず、もう、さっさと見せちゃいます。

では、こちら(↓)からどうぞ。
『今年のミスター・スイスは、こいつだ!』
(時間が経った為、画像は外しました。)

もう一度、候補者全員を見たい方は、こちら(↓)。
『あれ、どんな人がいたんだっけ?』
(時間が経った為、画像は外しました。)

ちなみに前回の「ミスター・スイス」はこの方(↓)でした。
(時間が経った為、画像は外しました。)

2007年4月19日 (木)  いわゆる普通のスイス人

何か、こんなのばかり紹介していると、「みんつさんって、変なのでは?」と思われてしまいそうで、少々不安ではありますが・・・・・・

前回の反応は悪くなかった様に覚えていますし、男性の裸ばかり載せているというのも、不公平でもありますし。
何よりも、「スイス人ってどんな感じなの?」というのを知る一つの材料としては、悪くないのではないか、なんて思ったりもするのです。

何故なら、普通の人達ですからね、彼女達は。
「ミスター・スイス」だの「ミス・スイス」だのといった、ちゃらちゃらした兄ちゃん姉ちゃんとは違う、自然な健康美があるのは、確実です。

ということで、今日はこちら(↓)をどうぞ。

『女酪農家カレンダー』 
http://www.bauernkalender.ch/

「今頃何故カレンダー?」という疑問は残りますがね。

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* リンクして、クリックで飛べるようにしたかったのですが、何故か、私のサイト枠内で画像が開いてしまいます。
直リンクはまずいので、お手数ですが、アドレスをコピーしてお使い下さい。

2007年4月20日 (金)  B氏、お前もか?!

只今私、少々動揺しております。
というのも、たった今、例の番組の担当ディレクター氏と、ウェブ・カメラのテスト等をしたのですが……

いつも私のサイトを読みに来て下さっている方は、既にご存じですが、私は来月、テレビに出させて貰える事になったのです。
詳細は、以下の通りです。
(*ご自身のホーム・ページやブログで紹介しても良いかと、聞いて下さる方々がいますが、もちろん大歓迎です。じゃんじゃん宣伝しちゃって下さい。)

日時:5月27日(日) 22時10分〜22時59分(日本時間です。)
番組:NHK BS1『地球アゴラ』
出演コーナー:アゴラー・クロスチャット
公式サイトはこちら http://www.nhk.or.jp/agora/index.html

で、上記の様に、画像や音声がちゃんと届くかどうか、テストをしたのです。

送受信状況は至って良好でしたし、私自身のヴィジュアル的な問題も――久しぶりにファンデーションまで塗って、化粧をした甲斐があったのか、なかったのか――「水色の服が、部屋に似合ってますね」以外にコメントはなく、窓の外の景色を見せた際には、隣に座っていた偉い方と一緒に「おお、すげえ」という声すら上がった程ですから、まあ、テストは無事終了したわけです。

それなのに何故、みんつは動揺しているのか?

色々とお喋りなどをし、和やかな雰囲気で行われたテストは、こんな具合に終わったのです。

「それでは、5月になったら再度ご連絡しますので、よろしくお願いします」
「はい、こちらこそ、よろしくお願いいたします」
「また、私の方も、みんつさんのホーム・ページを見させていただきます」
「あはははは、はい、ありがとうございます」
「それから、放送当日には、是非旦那さんも隣に座っていただいて下さい」
「!!!」

げ、何ですって!
我が夫B氏も出演ですか?!
……どうしましょう。

B氏、妻の私が言うのも何ですが、結構男前なんです。
そう、ヴィジュアル的には、私なんかよりB氏をテレビに出した方が、良いに違いないのです。
が! しかし、しかし……

B氏、目茶目茶弱気な性格です。
公の場とか、人前とかで話すとなると、見ている私までドキドキしてしまう程、上がるんです。
もう、誰がどう見ても完全にてんぱっている、というぐらい上がるんです。
そんなB氏がテレビに出るなんて、可能なのでしょうか?

そりゃ、インター・ネット回線を使ってですから、コンピューターの向こう側は、小さな画像でしか見えませんが、「これはテレビなんだ。衛星放送で、世界中が見てるんだ」と思ったB氏が、隣でがちがちに固まってしまうという事態は、想像に難くありません。

……そうだ! 放送時間は日本でこそ夜だけど、スイスでは真っ昼間じゃないか!!
「でもその時間は、仕事が」
そう言いかけた私に、脳がフル回転で伝えます。
……黙れ、みんつ。時間は昼でも、放送日は“日曜日”だぞ!!
「ぁっ。へへへへ、そうですね、本人に聞いておきます」

うーん、どうしようかなぁ?
B氏が出たら、図的には面白いし、私のサイトの常連さん達は、喜ぶだろうな。
緊張して固まっているスイス人、なんていうのも、日本人から見たら、逆に受けるかも知れないよな。
でも、大丈夫かなぁ?

……皆さん、どうします?

2007年4月24日 (火)  ロンドンvs東京

日曜日、私達夫婦は、大おばさんの誕生会に行きました。
この大おばさん、今年で93歳だというのに、完全に健康――耳が少し遠くなって、補聴器を付けている以外には、何処も悪くないのです――なのですから、すごいものです。

この誕生会は毎年の恒例行事で、大おばさんと姓を同じくする者と、その関係者(パートナーや子供達)30名近くが一斉に集まり、レストランで午後中食事をします。
それ自体は、ファミリーが顔を合わせる良い機会でもありますし、私はこの大おばさんが割と好きですので、今年も喜んで出席しました。

ただ、今年は私、一つ決めていた事があります。
「お仕着せのユニフォームの様な正装は、もうしない」です。
いつから始まったのか、我が夫B氏の家族が集まる場は、何故かいつも全員正装なのですが、どうも私の感じでは、大おばさんを含め、誰もそれを望んではいない様なのです。

「今年から、私なりのお洒落はして行くけど、こうしておけば誰にも文句を言われない、みたいな格好は止めるから」
そう言う私に、B氏も頷きます。
「俺も今年は、スーツは着ないつもりでいたんだ」

そんなB氏が、日曜日の朝選んだのは、小豆色のYシャツとジーンズです。
「みんつ、これで行こうと思うけど、どうだ?」
「おお、それは危険な賭だね。そのスタイルは、ファミリー最強の男とかち合うの、分ってるよね?」
「うん、分ってる」
「勝負に出るんだ?」
「おぅ!」

ファミリー最強の男とは、B氏の従兄弟M氏です。
M氏は、多分まだ20代後半で、エンリコ・イグレシアス(フリオ・イグレシアスの息子ですね)の様な風貌なのです。
そのM氏だけが、毎年大伯母さんの誕生会に、ジーンズと粋なYシャツという出で立ちで現われるのですが、これがまた、何とも艶っぽいのです。

「うーん、年齢的にはハンディがあるし、B氏の持ち味は、エンリコとは全く違うからなぁ。分った! こうなったら、胸のボタンをもう一つ開けて、わざと着崩そう」
「じゃ、下のシャツは、見えない様に脱いだ方が良いかな?」
「うん、Yシャツの下は無しだね」

そんな風にしてやって来たB氏に、義姉が言います。
「B氏、もうヘアリー・チェスト(胸毛)は流行じゃないのよ。今の若い女の子は、脱毛している男性を選んだりするんだから」

さて、誕生会も終わり、皆が席を立ち始めた時です。
帰って行く私達に、レストランのウェイトレスが挨拶をしてくれたのですが……

「さようなら、良い晩を」
一人ずつ順番に声を掛け、私に挨拶をしている筈のウェイトレスの視線が、おかしいのです。
簡単に言うならば、そのきらきらと輝いた視線は、営業用の微笑みというよりも、誘惑の瞳といった感じで、しかもそれが、私の頭の上に向けられているのです。
さっと振り返った私が見たのは、その視線をしっかりと受け止めている、B氏です。

「B氏、あの人、貴方に気があるね!」
レストランを出るのが待ち切れないという風で、私が言うと、B氏は余裕の表情で答えます。
「うん、気付いていたよ」
「ええっ。てことは、食事の間中もアイ・コンタクトがあったのね!?」
「うん、あったな」

「ひぇ〜、やるじゃん。あの人、まだ25歳ぐらいだよね。スタイルも良いし、美人だったよね?」
「ああ、ぴちぴちだった」
「M氏に勝ったね」
「まあな」
「なんだ、ヘアリー・チェストはまだまだ行けるんじゃん」

……義姉よ、君のいる所だけが流行の中心、ってわけでもないのだよ。

2007年4月25日 (水)  アルプスは晴天なり。

只今みんつは、たんぽぽ摘みに出掛けています。

2007年4月26日 (木)  レディー・J

もう何度も書いていますので、ご存じの方はたくさんいると思いますが、私には、イギリス人の義姉がいます。
我が夫B氏の兄である、C氏の嫁J嬢です。

そして、これも皆さん既にご存じかとは思いますが、このJ嬢と私は、ウマが合いません。

私達のこの確執には、長〜い長〜い歴史がありまして、その途中に義母の企みが巧妙に組み込まれていますから、今となっては、そのこんがらがった糸を解いて、もう一度初めからやり直す気力は、私にはありません。

ですから私は、J嬢とは適度な距離を置いて、義理の妹として失礼でない程度のお付き合いをしているわけです。
幸い遠くに住んでいますし、そのことに対して向こうは、特に何も感じていない様ですので、私としても、無理に仲良くする必要はないかな、と。

さて、そんなC氏・J嬢夫妻と私は、大おばさんの誕生会で、偶然隣同士に座りました。

この日の私、空きっ腹で食前酒の白ワインを3杯飲みましたから、食事の席に着いた時には――食前酒はレストラン外のテラスで、食事は中でという形式です――そして、その後赤ワインを何杯か飲んだ後では、正直なところ、義兄夫妻について、半分「もう、どうでもいいや」というような気分でした。

私、お酒は陽気に飲みますし、態度も普段と殆ど変らないのですが、実は、酔うとほんの少々、物事を真摯に捉えなくなる傾向があるのです。
まあ簡単な話が、おちゃらけて来るという事ですね。

で、そんな私は、J嬢が席を外した時、C氏に聞きました。
「あのさ、J嬢って、酔っぱらったりする事あるのかな?」
それに対するC氏の答えは、こうです。
「みんつにとって、酔っぱらうの定義は、何だい?」
「……」

嫌な答えですね、これは。
普通、こういう問いに対しては、酔っぱらい談の一つ二つもして、場を盛り上げるのが正解というものでしょう。
しかし私は、礼儀正しい義妹ですから、こういう下らない答えに対しても、辛抱強く相手をします。

「例えば、礼儀正しい態度でいられなくなるとか、訳の分らない話ばかりするとか」
するとC氏が言います。
「J嬢は、いつだって失礼だし、訳の分らないことばかり喋っているじゃないか」
「!!!!!」
……あんた、ちゃんと分ってるんじゃん。

ええ、ええ、私の酔いは、一気に覚めましたとも。
こんな答え、本当過ぎて笑えません。

その時、タイミング良くJ嬢が戻って来ました。
「何の話をしていたの?」
そう聞くJ嬢に、私は思い切って、今のやり取りを話してみました。
……J嬢、不機嫌になるかな? でも、こんな話は、ちょっとわくわくするぞ。

ところがJ嬢は、あっけらかんと言います。
「あら、私が礼儀を欠く態度を取る事は、決してないわよ。どんなにたくさんお酒を飲んだって、いつもきちんと、自分が何をしているか分っているわ」

……J嬢、天然の様です。

2007年4月27日 (金)  今日も良い天気だ!

みんつ、只今肉の袋詰め作業から戻りました。
仔牛1頭分(約150kg)を詰めて来ました。

そして今夜、夫B氏は友人を呼んで『男だけのパーティー』をするそうです(私はバレー・ボールがあるから)。
ということは、私、これから家の掃除です。

たんぽぽのジャムも、仕上げなければいけません。

で、今日の日記はお休みです。

みんつは何故、仔牛肉の袋詰めをするに至ったのか?
詳しいお話しは、月曜日に。

2007年4月30日 (月)  春うらら

今日の日記では、肉詰め作業の話をするつもりでしたが、予定変更です。

というのも今朝、我が家の前でこんな光景を見かけました。
アルプスならでは、ですね。



分り難いですか?

では、もう少しアップで。



はい、そうです。
脱走中のロバたちです。

裏の家の馬は、毎日逃げ出しては、連れ戻されてますが。



ちなみにどの動物も、さほど遠くに行かないところを見ると、飼われ心地は悪くないのでしょう。
ちょっと冒険したいだけ、ですかね。

5月の日記へ