2004年5月6日 (木)
if you want
ドイツ語系スイス人男性と付き合っているアジア系女性にとって、一番最初に悩まされ、尚且つ、最も大きな誤解を生む台詞の一つが、タイトルではないかと思います。
【if you wont】:君がそうしたいなら。
ここでは、こんな風に訳しておきましょうか。
スイス人男性が、この言葉をどう使うかというと、
You can come to my room,if you want.(僕の部屋に来ても良いよ、もし君がそうしたいのなら)
We can go to cimema together,if you want.(一緒に映画に行っても良いよ、もし君がそうしたければ)
これらの台詞は、日常的に出て来ますし、
We can marry,if you want.(結婚しても良いよ、もし君がそうしたいなら)
なんていうのも、それ程珍しくありません。
こんな風に言われたら、皆さんならどう思いますか?
「彼がそれ程乗り気じゃないなら、私は止めておく」「私とどこかに行きたいなら、もっと情熱的に口説いてくれなくっちゃ」「ええ、そんなどうでもいい感じで結婚なんて、嫌だわ」
そんな感じでしょうか?
ところがこれ、全くの誤解なのです。言葉ではなく、文化の誤解です。
スイスの女性は、ある面とても強いです。
ですから、男性たるもの、ごり押しをしてはいけないのです。
もし気に入った女性を見つけたら、出来るだけ相手の意見を尊重するように心掛け、彼女の人間性を高く評価しているふりをするです。
つまり、「映画に行こうよ」なんて誘い方をすると「私の時間が、全て貴方のものだとでも思っているの? 馬鹿にしないでちょうだい。私はそんなに暇じゃないのよ」と、なってしまうので、「もし君さえよければ」というのが、お尻に付く訳です。
では、この「if you want」、実際の彼らの心情を入れて、ちょっと意訳してみましょうか。
「君が僕の部屋に来てくれたら、素適だろうなぁ。でも強引過ぎて嫌われるといやだしな。イエスと言ってくれないかなぁ」
「映画に一緒に行って、君と仲良くなりたいなぁ。自信がないんだけど、君もそう思ってくれていると良いなぁ」
「僕としては、いつでも結婚OKさ。後は君の気持ち次第だよ」
と、まあ、こんなところでしょうか。
押しの強さも男の魅力。これは、『マッチョの国』日本ならでは、です。
『ソフティーの国』スイスでは、女性に主導権を渡すのが、良しなのです。
「それでも私は、やっぱり熱烈に口説いて欲しいわ」とか「私に魅力があるなら、向こうから来てくれる筈」という、撫子さんたち。
悪い事は言いません、ドイツ語系のスイス人は、パスしておいた方が良いです。
だってね、結婚までは何とか強引にやってもらったとしても、その後の長い生活の全てにおいて、彼らの習慣を変えさせるのは、無理ですよ。
それに、そういうやり方では、他のスイス人たちと、上手くやって行けませんしね。
「なんだ、そんなら簡単じゃん」と言われる、大和子さんたち。
今度スイス人男性に出会ったら、撫子魂はしまって置いて、大和魂でどんどん主導権を握っちゃって下さい。
無駄な遠慮なんかしないで、一番良い男に、声をかけてください。
そしていつの日か、スイスでお会いしましょう。
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