2007年7月3日 (火)
主婦の夢
私は現在、99,9%専業主婦です。
100%でないのは、年に数回ほんのちょっぴりではありますが――翻訳の仕事だの、近所の誰かを手伝った報酬とか、今年はテレビ出演もありましたし――お金を稼ぐ事があるからです。 畑の野菜や、近所の人達との物の交換――働いた報酬に食事を頂くとか、肉や卵をもらうとか――も含めるならば、私の専業主婦度はもう少し減るでしょうか?
さて、そんな私には、常々疑問があるのです。 世の既婚女性なら皆、一度は考えた事があると思いますが、「主婦の仕事は何処までか?」です。
例えば、夫の汚れた靴下を洗うのは、主婦の仕事でしょう。 でも、夫が居間に脱ぎっ放しにしている、靴下を拾って集めるのは、主婦の仕事でしょうか? もしくは、散らかった部屋を片付けるのは、やはり主婦の仕事でしょう。 でも、その部屋が夫だけの専用部屋だったら?
いえいえ、これらの例は、我が家の話ではありません。 我が家で靴下を脱ぎっ放しにしているのは、夫B氏ではなく、私ですし。 ただ、こういった「主婦の仕事の境界線」が、私には、今ひとつすっきりしない時があるのです。
それは、今朝の事です。 私は毎朝、起きるとまずコーヒーを淹れるのですが、我が家の今朝の台所は、マグ・カップの置き場もない、といった状態でした。
いえ、正確に言うならば、場所自体はあるのです。 ただ、その空間がどこも、濡れていたり、油が飛んでいたり、場合によってはジャムか蜂蜜で、べとべとしているのです。 ああ、野菜の切れ端や、肉の屑も落ちていましたっけ。 これらは皆、昨夜のB氏の仕業です。
昨夜B氏は、仔牛のヒレ肉を美味しく調理してくれました。 肉の表面だけをさっと焼き、薄く切って、鰹の刺身のように、大根下ろしと生姜で出してくれたのです。 (蜂蜜は、ハーブ・ティーに使ったのではないか、と思われます。)
主婦にとって料理というのは、下ごしらえから始まり、後片付けまでを指します。 しかし、男性にとって――B氏だけかも知れませんが――料理というのは、そう、調理その物だけを指す様です。
調味料や油の蓋は全て開いたまま、まな板と包丁は使った時のまま、鍋の蓋やフライ返し、下ごしらえに使った食器は、そこら中に不安定なバランスで積まれています。 そして、そう、残りの空間は全て、ぎたぎたのびしょびしょです。
私はただ、コーヒーを1杯淹れたいだけなのですが……
毎日の料理は、もちろん主婦の仕事ですから、昨夜B氏が夕飯を作ったとなれば、その代りにエキストラの仕事があっても、まあ頷けます。 しかし、昨日使った肉は、私が報酬として稼いで来た物ですし、野菜はもちろん、私の畑からです。 となると、簡単に計算しても、これはチャラではないでしょうか?
え、「それでみんつは、何を言いたいのか」ですか?
私が言いたいのは、「夫が一人で勝手に、目茶目茶にした台所を、整理して、掃除機を掛けて、磨いて、拭きまくるのは、一体主婦の仕事なのかどうか?」という事なのです。 これは「自分で汚した物は、自分で片付ける」という、簡単な事ではないのでしょうか?
でもね、「みんつは専業主婦なのに、俺は料理をしたんだから、きっとポイントが上がっているに違いない」と、自信満々のB氏を見ていると、「誰が汚そうと、家の中を綺麗にするのは、主婦の仕事なのか?!」なんて思ったりもするんです、私は。
で、B氏は、汚れた台所のせいで、何となく朝から機嫌が悪い私に、朝食を作ってくれたりするんです。 ええ、台所は先程のままプラス、鍋からこぼれ落ちた朝食のスープで、もう目も当てられない状態です。
……そんな私が、今夢見ているのは、台所が2つある家です。 |
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