2006年8月1日 (火)  お知らせ。

皆様へ。

今日8月1日は、スイスの建国記念日で、祝日です。
そして、明日は私、ちょっと街まで出掛けて来ます。

ということで、
続きものの日記が中途半端なのに、引っ張るようで申し訳ありませんが、今日明日と、日記の更新はお休みです。

今日はあいにくの天気なので、建国記念日に付きものの、焚き火だの花火だのは見られないかも知れませんが、我が村でも夕方から、何か催しがあるそうです。
雨天決行なのかどうかは、分りませんが、覗きに行くつもりでいますので、写真でも取って来ますね。

では、また木曜日に。
                     
                 みんつ

2006年8月3日 (木)  猫、現る。 3

                〜前回からの続き〜

茶トラ三兄弟が我が家の庭に現われてから、一週間も経たない頃、私達の関係が変る出来事が起こりました。

それは、……
夫B氏の昼食用に買ったチキンが、不味かったのです。

はい、簡単な話ですね。
殆ど食べていないチキンを捨ててしまうのは、惜しいと感じたB氏、それを家に持ち帰り、庭の垣根の中に住んでいる三男に与えたのです。

この突如のご馳走に三男は、盗むようにチキン半分を咥え、藪の中に戻ると、骨まで残さずにガツガツと平らげました。
「やっぱり野良だねぇ。食べられる時に食べておこうって感じだね」
その場に居合わせた、下の階のお婆ちゃんも、その様子を見て言います。

この日以来三男は、我が家の庭にいれば、攻撃されないだけでなく、たまには餌ももらえると考えたようで、私が庭に出ると、距離を置いてではありますが、近寄って来るようになりました。
そしてこの距離は、日に日に縮まり、ついに私は、こう言わざるをえなくなりました。
「B氏、この次買い物に行ったら、緊急用のキャット・フードを二缶ぐらい買って来て。もしも、三男が弱りだしたら、すぐに餌をやれるように」

この時点でもまだ私は、三男を飼うかどうか、決めかねていました。
というのも、今の部屋に一生住むつもりはありませんので、私達はいずれ、引っ越しをしなくてはいけないからです。

そんな私に、B氏は言います。
「新しく仔猫をもらって来るのは、引っ越しを考えると気が進まないけど、この猫はもうここにいるんだし、例え引っ越さなくてはいけないとしても、こいつの生活が今よりも悪くなる事は、ないと思うぞ」

自力で餌が取れずにみすぼらしくなるよりも、私に飼われて引っ越しをした方が、確かにこの三男の場合、我が家の垣根から他所に行かないわけですし、良い生活になるのかも知れません。
そんな風に考えている内に、B氏が買って来た緊急用の餌は、簡単になくなりました。
……いやぁ、やっぱり餌があると、ついついやってしまいますよね。

警戒しつつではありますが、三男も私の姿を見かけると、すり寄って来る様になり、いつの間にか、我が家にはお徳用キャット・フードの袋が置かれました。

長男と次男については、幸運なことに、問題はひとりでに解決しました。
雄なので行動範囲が広いのでしょう、我が家にはたまに顔を出すぐらいで、私が飼う必要はなさそうなのです。

さて、そんな風にして我が家に入り込んだ三男は、その風貌からM氏と名付けられ、ゆっくりとではありますが、私達夫婦に馴染み始めています。
まだ、垣根の中で過ごす時間の方が多いのですが、まあ、冬になって寒くなれば、自然に家の中に入って来るでしょう。

ということで、我が家にまた、仲間が増えました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

と、終わる予定でしたが、

M氏が出入りし始めてから、下の階に住むC氏だの他所の猫だのまでが、急に我が家に現われるようになりました。
今まで見たこともない猫が、いきなり家の中にいるのです。

私は猫好きですが、近所中の猫全部に餌をやるほど、太っ腹ではありません。
ですから、M氏以外の猫は当然追い払うのですが、これか今朝、M氏の食事中に起こりました。
そして、それを見たM氏、私を再び警戒してしまったようで、慌てて逃げ出しました。

やれやれ、もう一回、初めからやり直しのようです。

……果たしてM氏は、本当に我が家の仲間になれるのでしょうか?

2006年8月5日 (土)  建国記念日

もう過ぎてしまいましたが、8月1日は、「スイスの建国記念日」でした。

スイスではこの日、家族だの知人だのが皆で集まって、一緒にバーベキューなどをしたり、大きな火を焚いたり、花火を打ち上げたりして祝います。

今年の夏は、乾燥した日々が続きましたので、山火事防止ということで、この日に個人で火を焚くことは禁止になりました。

我が村は、村の消防団の監視の元に火を焚き、青年団の手配で、小さな売店が出ました。
ホントに素朴な祝いですが、良かったら、ちょこっと覗いてみて下さい。

『建国記念日の様子』

2006年8月8日 (火)  お知らせ

皆様へ。

〜暑中お見舞い申し上げます。〜

さて、

クーラーを点けずにはいられない日本の方には、信じられないことでしょうが、ここアルプスは、8月に入ってからずっと悪天候で寒い日が続き、我が家では薪を焚いていました。

「このまま夏は終わり、庭のトマトが赤くならないのではないか?」
私は、そんな心配をし始め、外に出していた鉢植え達を今朝、しまい込んだところです。

が、皮肉にもというか、それでも幸運なことにというべきか、重い鉢植えをぜぃぜぃ言いながら運び込んだ途端、太陽が顔を覗かせました。

明日も晴れるのかどうか、山の天気は分りませんので、今の内に、雨で収穫出来ずにいた野菜達を、さっさと取って来て、保存しようと思います。

ということで、今日の日記はお休みです。

もし、明日の日記も更新がなかったら、たくさん収穫があり、「みんつは、保存食作りに忙しくしている」と思って下さい。

では、畑に行って来ます!
   
                       みんつ

2006年8月10日 (木)  本当に先進国なのか? 1

去年の暮れから、我が村のテレビがデジタル放送になり、各家庭に小さな箱形の機械が設置されました。
スイス、ドイツ、オーストリアの放送が各2局ずつ、計6局しかなかった我が家のテレビは、このデジタル化に伴い、18局になりました。

この仕事をする中間役とでもいいましょうか、各家庭に機械を設置し、18局からの放送をお茶の間に届ける会社は、地元のR社です。
最初の3ヶ月間は無料お試し期間ということでしたが、R社から我が家に請求書が届いたのは、今週になってからです。
そして、請求書の金額は6月から、つまり、半年間以上無料になっているのです。

何故でしょう?

これは私の予想ですが、……そしてこの予想は、満更外れでもないのではないかと思うのですが……このR社、問題だらけなのです。
画像が止まったままになる、音声が来ない、画面が真っ黒になるなど、テレビがまともに映らないのです。

もちろん視聴者は、その都度苦情の電話を入れますから、ホット・ラインも事務所の電話もパンク状態で、誰も電話に出ないなどということもしばしば。
こんな状態では、請求書は送れませんね。

ちなみに、皆が何故このR社を利用しているのかというと、他に会社がないからです。
はい、一社の独占企業です。
この会社が嫌だとなると、パラボナ・アンテナを付けて、100局以上の放送を見られるようにするか、テレビは一切映らないかです。
ただパラボナ・アンテナは、お値段もかなりな上、スイスの放送局が映りませんから、ニュースや天気予報などに不便です。

さて、その請求書が我が家に届き、内容を確認すると、「6月から12末までの料金を、今月一杯に支払いせよ」とのこと。
……ふん、どうしましょう? 

半年間以上無料になったのは、まあラッキーといえなくもありませんが、このR社、まだ何も問題は解決出来ていないのです。
相変わらず我が家のテレビは、上に書いたように、画像の不良状態が頻繁に起こります。
このまま黙って払ってしまって、大丈夫でしょうか?

見た分を払うことに関しては、まあ百歩譲って良しとしても、まだ見ていない分を先払いというのは、この放送内容では、図々しい請求のように感じます。
ひょっとしたら、お金だけ集めて「やっぱり上手く行きませんでした。さようなら」なんてことにならないと、誰が保障出来るでしょう?

「明日R社に電話して、請求書を2回に分けてもらうようにするよ。そうすれば、ちょっとは安心して払えるし、向こうにも私達がこのままで良いと思っているわけではない、っていうのが伝わると思うから」
請求書を見せる夫B氏に、私は、気軽にそう言いました。

7ヶ月分の請求書を2回に分ける。
仕事としては、大したことではありませんよね? 
しかもそれは、R社の放送が安定するまで(もしくは、会社が閉じるまで?)の、とりあえずの期間だけなのですから。

スイスの場合、送られて来た請求書を期間内に払わないでいると、例えそれが両者の話し合いの途中だとしても、督促状のようなものが届き、そこには罰金が加算され、それを話し合っている間にも、どんどん罰金は増え……ということが起こるので、私は最初から、請求書をもう一度発行し直してもらおうと考えたのです。

簡単なことですよね?
1枚の請求書を2枚にするだけです。

しかし、ここはスイスです。
穏やかに、ただ2枚の請求書を送って欲しかった私は、この後やはり、厄介な思いをすることになりました。

                  〜次回に続く〜

2006年8月11日 (金)  本当に先進国なのか? 2

                  〜前回からの続き〜

翌朝一番でR社に電話をした私は、事務所の女性に電話が繋がるまで、3回電話をかけました。
これは分るとは思いますが、3コールではなく、10コールしては切りX3回です。

いえいえ、3回ぽっちで繋がったなんて、この会社にしては、珍しく早いのです。
以前、テレビが全く映らなくなり、電話をした時には、午後中かけ続けても誰も電話を取らず、……その間、話し中のコール音が鳴ったり、勝手に電話が切られたり、機械に繋がって何分間も待たされたりし、頭に来た私は、電話を鳴らしっ放しにしましたが……終いには営業時間中だというのに、留守番電話に切り替えられてしまったことすらあります。
ちなみにこの会社、ホット・ラインと銘打った番号であるにもかかわらず、電話料金を払うのは、私達客の方です。

電話に出た、年配かと思われる女性に、私は事情を話ました。
「貴方の会社から請求書が来ましたが、今の映像状態では、そちらを信用して全額を支払うのは、出来かねます。既に使用した月の分に関しては、不満ではありますが、支払おうと思います。でも、まだ見ていない月の分に関しては、今後の様子を見てから支払いたいと思いますので、請求書を2回に分けていただけませんか?」

はっきりと要求を言った私に、電話口の女性は聞きます。
「映像の調子が悪いというのは、どんな状態ですか?」
「画像が止まったままになる、音声が出ない、画面が真っ黒になり、そちらの会社に連絡しろというテロップが出る、等です。どれも突然そうなって、数分後には元に戻ります」
「それは、どの程度頻繁に起こりますか?」
「かなり頻繁に起こります。我が家は、テレビをあまり見ない方だと思いますが、見ると必ずそれが起こっている、と言っても良いぐらいです」

「では、技術者を送りますので、設置した器具を検査させて下さい」
「いえ、それは既にやりました。そちらの技術者は、我が家の器具に全く問題がないだけでなく、受信の状態は、これ以上ないほど良好だと言いました。問題は、我が家ではないと思います」
「では、問題は何だとお考えですか?」
「はっきり言って、そちらの技術に問題があるのではないですか?」
「……」

「貴社が今後どう改良するのか、私の方としては様子を見たいので、先払いの請求分に関しては、すぐに支払うわけにはいきません。ですから、請求書を2回に分けて、送り直して下さい」
「でも、貴方の契約書では、1年分を先払いになっていますけど」
「今回の問題に関しては、そちらのミスですから、貴社が問題を解決しない限り、その契約は無効です。お金は支払いますから、ただ、使用月分の請求にして欲しいのです。テレビの画像が、きちんとなれば、私には契約通りに支払う用意があります」

「今までの月も、きちんと見られなかったのですよね? それを支払うのは、不本意ではありませんか?」
「確かに嬉しくはないですけれど、貴社が今後より安定した画像を届けると信じて、支払おうと思います」
「もう一度、技術者を派遣しても良いでしょうか?」
「それは、双方にとって時間の無駄だと思いますけど、貴方がどうしてもそうしたいというなら、どうぞ」

私が電話を切って15分と経たない内に、以前と同じ技術者の男性が我が家に現われ、デジタル用の器具と配線、我が家のテレビを調べました。
その結果は、私の知っていた通り、前回同様何も問題なしです。

「事務の女性に貴方から、うちの器具には問題がないと、説明してもらえますか?」
そう言う私に、彼は困った顔をします。
「僕は、事務の方は無関係なんで、どうにもすることが出来ません。申し訳ありませんが、お客さんの方でもう一度電話をして、話し合って下さい」

まあ、そういう答えが返って来ることは、最初から分っていました。
このR社に限らず、スイスの企業というのは、私の知る限り、横の繋がりが全く取れていないのです。

私は念のために一日間を置いて、それでも画像がおかしいことを確かめた上、翌日またR社に電話を入れました。

                     〜次回に続く〜

2006年8月14日 (月)  本当に先進国なのか? 3

                    〜前回からの続き〜

R社の電話口に出たのは、今回もまた別の女性です。
私は、既に何度も繰り返している内容を、もう一度辛抱強く繰り返し、最後に付け加えました。
「やはり我が家の器具に問題はないそうですから、別の方にも説明したように、まだ使用していない月の分についての支払いは、少し様子を見させて下さい」

すると、今度の20代かと思われる女性は、こう言いました。
「コードは、ちゃんと繋がっていますか?」
「は? 何のコードでしょう?」
「器具の後ろには、テレビに繋がっているコードがありますよね。あれが緩んでいるんだと思いますよ。それをきちんとはめ直したら、映るんじゃないですか?」
……あのね、あんたの家じゃないんだから。

この女性、今まで私の説明の何を聞いていたのでしょう?
私、この時点で、軽くプチッと来ました。

「あのですね、今まで普通に見られていたテレビが突然真っ黒になって、その数分後にまた、何ごともなかったかのように元に戻るって、私、言いましたよね。じゃ、何ですか。その数分間にコードが緩んで、また独りでに戻るとでも言うんですか?」
「でも、うちの方の問題じゃないと思いますけど」
「我が家の器具に問題がなくて、それでも画像がきちんと来ないのだとしたら、そちらの送信の質が悪いとしか、考えられないでしょう? 大体ね、貴方の会社が入る前は、こういう事は一度もなかったんですよ」

「でも、今回初めて電話をされたということは、今まではその放送で満足されていたのでしょう?」
「今回が初めてだって、誰が言いました? この半年間、私が何度貴社に電話を入れているか、ご存じですか? 正直なところ、そろそろうんざりしているのです。しかも、こうやって毎回事情の分らない方に、一から説明するのも、良い加減腹が立ち始めています。貴方達は、今日に至るまで、一度だって問題を解決していないし、電話での対応も、全く真剣だとは思えない。そちらの製品に問題があるのに、何故客が我慢をしないといけないのですか?! この電話でかかる料金だって、私の時間だって、ストレスだって、貴方は真摯に捉えていますか? とにかく、もう良いですから、請求書を二つに分けて下さい!」

私の剣幕に慌てた女性は、側にいるらしき誰かと話をし、こう言いました。
「それは、やはり出来ないそうです。お客様の契約書では、前払いになっていますので」
「でも、客が前払い出来るような製品を、貴方達はまだ届けられていませんよね。そのことに関しては、どう考えていますか? お金を払う客が何もかも我慢しろというのでは、私は納得しませんよ。それとも、私が納得できるような案が、他にありますか? 何も、ずっとそうしろと、言っているのではありません。貴方達の放送の質が安定するまで、例外的な処置として、後払いにして欲しいと言っているのです。払わないって言っている訳でもないし」

もう一度、電話の向こうで話し合う声が聞こえ、ついに女性が言いました。
「分りました。今回は例外ということで、上の方に話を付けておきます」
「これでやっと、少しは進歩がありましたね。ありがとうございます。もちろん、そちらの放送が安定し次第、きちんと払いますので、ご心配なく」

これで解決したかに思えた『スイスのテレビのデジタル化問題』は、やはり『スイス的な事情』によって、まだ続く事になりました。

                      〜次回に続く〜

2006年8月15日 (火)  本当に先進国なのか? 4

                      〜前回からの続き〜

「今回は例外処置ということで、年末まで先払い予定になっている請求書を二つに分け、両方とも後払いで良いようにする」
そういう話で、お互いに合意したはずのR社から、翌日我が家に電話がありました。
今回の相手も、30代半ばでしょうか、また別の女性です。

「請求書のことで、不都合があると聞きましたが?」
「いえ、それは昨日、話し合いが付きました」
「ええ、そのことで電話したのですが、やはり請求書を作り直すのは、こちらとしては出来ません」
……やれやれ、私達の話し合いは、またもや振り出しに戻った様です。

請求書を分けるというのは、本当なら「払わない!」と言ってしまっても良いと思っていた私が、「このぐらいの誠意を示してくれれば、待っても良いかな」と、何とか妥協点を見いだそうとして考えた案です。
それが駄目だと言うなら、R社がより良い案を出さない限り、私に残された道は、「払わない」しかありません。

「分りました。それでは、私が納得する案を出して下さい」
「お客様の問題は、正確には何でしょうか?」

もう、本当にうんざりです。
請求書を分けないことについては、同僚と話し合っているにも係わらず、何故私がそういうことを言うのかについては、何一つ聞いていない。
本気で解決する意思は、このR社にあるのでしょうか?

「今の画像の状態では、先払いで受信料を払う程には、貴社を信頼出来ない、ということです」
「どんな状態なのでしょうか?」
画像が止まる、音声が出ない、真っ黒になって「ホット・ラインに電話しろ」という文が出る等、私は、過去半年間何度もしてきた説明を、この女性にもう一度繰り返しました。

「では、技師を送りますので……」
阿呆のような押し問答を繰り返そうとする女性を、私はきつい調子で遮りました。
「それは、お断りします!」
「でも、そちらの器具が……」
「あのね、もう何度も技師は来ているんです。三日前にも来たばかりです。それで、我が家の器具は、これ以上にない程良好だって言っているんです。もう一度来られても、結果は同じですから、時間の無駄です。それよりも、私が納得できる案を、この場で出して下さい」

「でも、請求書を分けるのは、出来ないんです。実は、既に経理のプログラムに入金予定が組み込まれているので、それを変えるとなると……」
「ストップ!」
……はぁ、今、何て言った? この会社の社員は、既に作った会計プログラムのために、働いているということ? 

簿記だの会計だのの帳簿というのは、会社が回って儲かったり失ったりした金額を、つけるものではないのでしょうか?
少なくとも自営である我が夫B氏は、そうやって帳簿をつけていますが。

この時、私は、文字通り自分の耳を疑いました。
「きっと、私のドイツ語の聞き取りに、問題があるのだろう」とさえ思いました。
しかし彼女は、はっきりと「経理のコンピューターにもう打ち込まれているから、それを変えるのは出来ない」と言ったのです。

私は、その道には詳しくありませんが、入金予定の辻褄を合わせるために社員が働くなんて、しかもそれによる不都合を、客がお金を払って引き受けるなんて、こんなの有りなのでしょうか?
「スイスの経理は優秀だ」とは良く聞きますが、ええ、このやり方なら、確かにミスは出ませんよね。

こんな会社に先払いだなんて、ますます出来そうにありません。
もし問題が解決されず、契約解除などとなった場合、コンピューターに打ち込まれ、ましてや支払ってしまったお金は、返りそうにありませんものね。

こんな状況を、私はどう打破したら良いのでしょう?

                       〜次回に続く〜

2006年8月16日 (水)  本当に先進国なのか? 5

                  〜前回からの続き〜

自社の経理システムについて説明し続ける女性を制止すると、私は、苛々を隠しもせずに言いました。

「何故客である私が、貴社の経理状態まで聞かないといけないのですか? それは、そちらの仕事であって、私には関係ありません」
「でも、うちの状況も理解して頂かないと……」
「貴社の状況なんて、理解したくもありません。いいですか、問題があるのは、私なんですよ。しかも、私の譲歩案は受け入れないくせに、何一つ新しい案を出そうとしない。これ以上話しても無駄ですから、何でも良いです、私を納得させる案を出して下さい」

「それには、まず技師を……」
「だから、その技師は何度も来たって言ったでしょう! あのね、こうやって訳の分らない人に何度も同じ話をして、何度も無駄な時間を使って、何一つ状況は変らなくて、そういう私の状況こそ、貴方は理解すべきでしょう。本当に私、もう頭に来ていますよ」
「ええ、お客様の気持は、私も理解出来ますが、請求書を後払いにしてしまうと、皆さんがテレビだけ見てお金を払わない、なんてなっても困るのです」
「私は、その逆の心配をしていますよ。皆が先払いして、貴社がとんずらしない保障は、何処にありますか?」

「あの、もう一度だけ、技師を派遣させて頂けないでしょうか?」
「そこに、意味があるとは思えませんが」
「今度は、スペシャリストを派遣しますから、今までの技師が見付けられなかった問題が、見付かるかも知れません」
……じゃ、何かい、今まであんたらは、半年間もろくでなしの技師を送って来たっていうのかい?

「分りました。もう一度技師が来ても、何も変らないと思いますが、貴方がどうしてもというなら、どうぞ。でも、これが最後です。その技師が来た後に、貴社がどういう対応をして下さるのか、楽しみにしています。それから、問題が全て解決するまで、請求書はストップして下さいね」
「それは出来ないんです」
「あのね、この状態で払わずにいたら、督促状が来て、罰金が加算されて、ってなるでしょう。そういう問題まで押し付けられたんじゃ、堪んないですよ」
「それは大丈夫です。その請求書は、捨てて下さい。問題が解決次第、新しいのを発行しますから」

こんなの、誰が信じられますか? 
彼女と請求書を送る社員は、きっと別でしょうし、二人がこの問題について話をするなんて、ある訳がありません。
この状態で、防衛策として私が出来ることは、ただ一つです。
何かあった時に、この女性を道連れにする、つまり、個人的な責任にするだけです。

「貴方のお名前を教えて下さい。これ以上訳の分らない人に、同じことを説明する気にはなれませんから、今後は直接、貴方と話をすることにします」
「分りました。私はMと申します」
「では、もう一度だけ、技師を寄越して下さい。その後、また解決策について、お話ししましょう」
「本当に、何度も申し訳ありませんでした」

翌日我が家には、機材を設置したのと同じ女性が現われ、今までの技師と同じ台詞を、いえ、もっと素敵な台詞を言いました。

「お宅の機材には、全く問題がありません。受信状態は、普通より良いぐらいです。これは、完全に送信側であるR社の問題です」
「やっと一人、私の意見を認めて下さる方が出ました。何度も事務の人にそう話しているのに、誰も私の話を聞こうとしないのです。お手数でしょうが、そちらのM嬢に、貴方から詳しく説明して頂けないでしょうか?」

「ああ、事務の人は、あんまり分っていないからね。M嬢は、新しく入った人だし。良いですよ、今日は事務所が休みだから、明日にでも電話を入れて置きます。あのね、私の家のテレビも、同じ事が起こるのよ。まだR社は、完全にシステムが出来上がっていないから、仕方がないんだと思うわ」

これで一安心……なんて思う方は、まだまだスイスを知りません。
スイスでは、現物が自分の手の中に入るまで、何も信じてはいけません。
この状態で言うならば、現物とは、「きちんとしたテレビ放送と新しい請求書」です。

そして、この私の考えが正しいことは、翌日簡単に証明されました。

                      〜次回に続く〜

2006年8月17日 (木)  本当に先進国なのか? 6

                   〜前回からの続き〜

「では、私は午後まで待ってから、貴社のM嬢に電話を入れますから、その前に詳しい事情を伝えて置いて頂けますか?」
「ええ、良いですよ。これは、100%送信側の問題ですから、安心して」
そう話した筈でしたが……

翌日午後、10回以上電話をかけ続けた後、私はM嬢と話をする事が出来ました。
電話口に出た、またまた別の女性は、「どういうご用件でしょうか?」と聞いて来ましたが、「同じ話を何度もするのは嫌だから、M嬢に替わってくれ」と言いました。
この会社、内線番号とかないのでしょうかね。

「昨日うちに来た技師の女性から、連絡は入りましたか?」
「いいえ、ありませんけど」
ね、スイス人なんて、こんなもんです。簡単に信じてはいけません。

「技師の女性が言うには、我が家のテレビ画像が悪いのは、送信側つまり貴社に問題があるそうですよ。さて、どうしますか?」
「少々このままでお待ち頂けますか? 今、課の方に連絡してみますから」
暫くして、再び電話口に戻ったM嬢は、今までの話など何もなかったかのように、こう言いました。
「課の方に問い合わせたところ、昨日まで、こちらの送信に問題があったそうです」
……え、いまさら何? それじゃ、昨日までの押し問答は、何だったの?

しかも、「昨日まで」なんて取って付けたような言い訳、誰が信じますか?
この会社は、まだきちんと出来上がっていないものを客に届けて、前払いの請求書を送っているということですよね。

「今、何て言いました?」
「え?」
「昨日まで、そちらの送信に問題があった、と言いましたか?」
「はい、そうです」
「私、電話でずっとそう言いませんでしたか? 今日になるまで、誰もそれを確かめなかったのですか?」
「……」

「もし貴社の方達が、『まだ放送が不安定なので、暫く待って欲しい』と、正直に言っていたら、私は黙って待っていましたよ。新しい事業ですから、そういう事があるのも分ります。でもね、私が電話を掛ける度に、まるで我が家に問題があるような口振りで、ただ時間だけ引き延ばして、どういう仕事をしているのか、私にはさっぱり理解出来ません」
「申し訳ありません」

「もう良いです。そちらの問題である以上、この請求書は受け入れられません。少なくとも昨日までの分に関しては、このまま支払う気にはなりません」
「ええ、それは分っています」
「じゃ、どうしますか?」
「あの、もう一度だけ、技師を送りたいのですが。今度は、もっとスペシャリストを派遣しますから、細かいチェックも出来ると思うのです」
……もう、勘弁してよ。そんなこと言っていると、私は本当に怒っちゃうよ。

「送信に問題があると貴方自身認めたのに、何故もう一度うちに技師を寄越す必要があるのですか? しかも、今までの人は、無駄に来たって事ですか?」
「そういうわけではありませんが、今度の人は、もっとスペシャリストなので、詳しく調べられると思うのです」
「これ以上、何を調べるのですか?」
「アンテナとか……」
「でもね、そちらの技術に問題があると、今貴方も言ったでしょう」
「でも、もしかしたら……」

「分りました。まずは、昨日来た技師の女性から、詳しいことを聞いて下さい。その上で、それでもまだ、もう一人寄越す必要があると考えるなら、電話を下さい。貴方が納得するまで、全部調べましょう。でもね、こういう事なら、最初からきちんとした技師を派遣して欲しかったです。私が何度そちらに電話を入れているのか、考えて下さいね」

今までは、ある程度で折り合いを付けようと思っていましたが、ここまで来たら、私のへそだって曲がっちゃいます。

「我が家の画像がきちんとなるまでは、びた一文払わない!」
私は、その晩帰宅した夫B氏に、そう宣言しました。

                       〜次回に続く〜

2006年8月18日 (金)  本当に先進国なのか? 7

                   〜前回からの続き〜

その2日ぐらい後、技師の男性から我が家に電話がありました。
声の感じでは、20代半ばといったところでしょうか。

「R社のものですが、何か問題があると聞きましたが、具体的にどういうことでしょう?」
……もう、頼むから社内で話し合ってよ! そんなにややこしい問題じゃないんだから。
私は、もう何度も何度も繰り返している我が家のテレビの状態を、更にもう一度繰り返しました。

「それでは、明日の朝、9時にお伺いしても良いですか?」
「ええ、どうぞ」
皆さんもご存じの通り、私は朝が弱いので、出来ることなら午前中は、何の約束もしたくないのですが、これ以上事が長引くのも面倒ですし、私はこのアポイントを受け入れ、早起きして待つことにしました。

ところが翌朝、9時を過ぎてもR社の技師は現われません。
「おいおい、今度はすっぽかしかよ」
私がそう思い始めた9時半過ぎ、我が家の電話が鳴りました。
「R社の技師ですが、前の仕事が立て込んでいて、9時の約束に行かれそうにもありません。少し遅れますが、良いでしょうか?」
……9時に行けそうにないって、もう9時はとっくに過ぎてるよ。行けそうにないんじゃなくて、来てないんだよ。大丈夫か、この会社の人達は?

約束の時間に間に合いそうにないという断りは、私の知る限り、約束の時間よりも“前”に言うのが一般的だと思うのですが、スイスでは違うのでしょうか?
しかも、間に合いそうにないと言うこの時点で、既に30分以上遅刻です。

「良いですよ。今日は、私は家にいますから、お好きな時間に来て下さい」
事務の対応がああなのですから、この若いお兄ちゃんに何を言ったって無駄です。
このR社は、客は彼らのために全ての時間を割く、とでも思っているのでしょう。

さて、今回我が家に来たもっとスペシャリストの男性は、今までのちょっと劣るスペシャリスト達と同じ事をした後、言いました。
(ちなみに私がちらっと覗いた感じでは、今まで来た技師達は、多分、全員同じ作業をしているだけです。)

「あれ、変だな。この器具は、何処もおかしくありませんよ。これ以上良い状態は、あり得ませんよ」
「ええ、知っていますよ。少なくとも私は、知っています。今まで来られた方達も、皆さんそう言って帰りましたから。でもね、貴社の事務の方達は、それを信じたくないみたいですよ」

「どうしようかなぁ?」
もっとスペシャリストのお兄ちゃんは、少し困ったように笑うと、どうやらもっともっとスペシャリストである先輩技師に、携帯電話を掛けました。
そして、外の車に戻って何かを取って来ると、我が家の器具とアンテナ・コードの間に、5cmぐらいの金属の筒を付けました。

「これで、もう大丈夫なはずです」
「それは、何ですか?」
「この器具で、テレビに入る信号の速さを、より早くするんです」
「でも、うちの受信状態は、良好なんでしょう?」
「ええ、そうですけど。なんて言うか、これを付けておけば、より確実なんです」
……こんな5cmの器具、私だって付けられるよ。ただネジで、ぐるぐるって回すだけじゃんか。こんなもん、半年前にさっさと送って来い!

「これで画像が安定すると思いますが、それでも駄目なようなら、また連絡して下さい」
渡された名刺には、事務所のホット・ラインの番号と、彼の携帯電話らしき番号があります。
「ええと、あなたの携帯に、直接電話して良いんですよね? 事務所の番号は、なかなか繋がらないですからね」
「はい、携帯で良いですよ」
「それじゃ、2、3日様子を見てみます」

その晩、帰宅したB氏に、私は言いました。
「今夜からは、画像の乱れがあったら、すぐ私に教えてね。いつあったのか毎回メモして、その月の支払いはしないことにするから」
そして私は、テレビの側に、記録用の紙と鉛筆を設置しました。

                      〜次回に続く〜

2006年8月20日 (日)  お知らせ

皆様へ

月曜日は、私、街に行って来ます。

ですから、日記の更新は、火曜日になります。

ということで、もうちょっと待ってて下さいね。

             みんつ

2006年8月22日 (火)  ミスター・スイス その後

続きものの日記が、途中ではありますが、……実はR社とのもめ事が、まだ続いておりまして、しかも現在待ち状態です。

よりスペシャリストのお兄ちゃんが来た後も、我が家のテレビは、きっちりと映っていなく、私は今、別のスペシャリストからの連絡を待っているところです。

ということで、今日はちょっと「中休み日記」です。

タイトルでもうお分かりかと思いますが、現在のミスター・スイス、ミゲール氏の「お、これは、なかなか行けてるんじゃない?」という画像が手に入りましたので、今日はそれをご紹介します。

あのね、やっと服を着てくれたのです。

特に2枚目なんかは、私的には好みですが。
……ぁ、誰もそんなことは、聞いていませんか?

では、どうぞ。
(* 時間が経った為、画像は外しました。)

(←)スペイン系をアピールした、マタドールの衣装で。
(←)これ、色っぽいですよね?

……如何でした?

2006年8月24日 (木)  本当に先進国なのか? 8

                     〜前回からの続き〜

R社から、もっとスペシャリストの技師が派遣され、5cmほどの金具をコードと器具の間に取り付けた翌日、我が家のテレビの数局が、突然真っ黒になりました。
画面の左上には、小さな英文字で「no signal(無信号)」。

まあ、そんなことだろうとは思っていましたので、私はもらった携帯電話の番号に、連絡を入れました。
が……
このお兄ちゃんも、なかなか電話に出ないのです。
仕事用の電話、しかも携帯電話を取らないって、感じ悪いですよね?
事務のお姉ちゃんといい、このお兄ちゃんといい、R社は何故客からの電話を取らないのでしょう?

ええ、私は、電話を掛け続けましたとも。
そして、やっと電話に出たもっとスペシャリストに事情を説明すると、彼は一言言いました。
「そりゃ、良くないな」
「……。どうしますか?」
「うーん、同僚を行かせますから、彼から電話が来るのを待っていて下さい」

私は、二日待ちましたが、電話は来ません。
過去のちょっと劣るスペシャリスト達は、すぐに電話をくれ、即日で見に来てくれましたが、やはりそこはもっとスペシャリスト、そんなに簡単に時間は割けない、ということでしょうか?
私は、再度R社の事務、M嬢に電話を入れました。

「もっとスペシャリストが来て、小さな金属を付けて行ったら、今度は信号自体が来なくなりました。彼の携帯に電話したら、同僚を寄越すとのことでしたが、その同僚からは連絡がありません。このまま待っているのもあれなんで、貴方にお知らせしようと思いまして」
「まだ画像は良くなりませんか……。今この場で、私が専門店に電話を入れて、そちらに伺うように手配しますので、このまま少しお持ちいただけますか?」
……今まであんたが寄越したスペシャリスト達は、専門家ではないって事なの?

さて、その後10分もしないうちに、専門店から男性が来ました。
20代半ばの「スイス版お宅」とでもいう感じの男性です。

その男性も、R社のスペシャリスト達と全く同じことをした後、言いました。
「変だなぁ、テレビの受信状態は、問題なしですよ」
そして、R社のもっとスペシャリストが取り付けた金属を外して、もう一言。
「これは、お宅のテレビには必要ありませんから、外して置きますね」

その男性は、暫くあちこちのチャンネルを回したり、器具のコードを外したり付けたりした後、言いました。
「セロテープは、ありますか?」
「セロテープですか?」
「ええ、器具に差し込むカードの接触具合が、ひょっとしたらゆるいのかも知れないから」
「?????」

私がセロテープを持ってくると、その男性は、なんと、カードの先端にセロテープを何枚か貼り付けました。
……え、こういう器具に使うカードって、普通上に何か書いたり、余計なもの貼ったりしちゃ、いけないんじゃないの? この兄ちゃん、本当に大丈夫?

「これで多分大丈夫だと思いますが、もしそれでもおかしいようでしたら、電話をして下さい。器具ごと、全取っ替えしますから」
お兄ちゃんはそう言うと、私に携帯電話の番号をくれました。
……こんなんで直るはずないじゃん。絶対もう一度来ることになるよ、こいつ。

セロテープか全取っ替えか、こんな専門店って、有りなのでしょうか?

専門店の男性が帰った後、手元に集まった、若いお兄ちゃん達の携帯電話の番号を見ながら、あまりのばからしさに、私は一人、声を出して笑ってしまいました。

                  〜次回に続く〜

2006年8月28日 (月)  連絡

皆様へ

日記、『本当に先進国なのか?』を書き始めた時、現実では既に、かなり長い話が過ぎていましたので、私は、「このシリーズを書いている間に、問題も決着が付くだろう」と思っていました。

たかがテレビの映りですし、一応スイスはテクノロジーの国です、「いくら何でも、あと2、3回もやり取りすれば、終わるだろう」と思っていたのです。

ところが、私は甘かった。
スイス生活11年では、まだ経験が足りなかったようです。

というのも、今朝、例の専門店から電話があり、カードにセロテープを貼って行ったのとは別の専門家が、明日また来るそうです。

まぁ、セロテープで問題が片付くというのでは、しっくりしないと思っていましたので、別の専門家が来てくれるのは、私としてもやぶさかではないのですが・・・・・・
申し訳ないことに、日記の続きが先送りになってしまいます。

でも、これ、私にはどうにも出来ないですよね。

ですからこのシリーズは、「今後ネタが増え次第、随時アップし続ける」ということで、お許し頂けますでしょうか?
別の日記の合間に続編が入ると、読んでいてややこしいかも知れませんが、私としても、結末まで書きたいですし。

「何だよ、焦らすなよ」と思う方もいますでしょうが、どうかご勘弁下さい。

ということで、このシリーズの続き&結末は、もう少し先になりそうです。
半分スイスの事情に呆れつつ、気長にお待ち下さい。

                        みんつ

2006年8月29日 (火)  アル・デンテ

普段私は、殆どテレビを見ません。

しかし、先日から日記に書いているように、我が家のテレビは、現在映り具合が悪く、その事で、送信元であるR社といささかもめていますので、ここ数週間私は、テレビを見るようにしています。
昼食や夕飯時、ちょっとした休憩などの時に、テレビを点けて時間を過ごすようにしているのです。

そしてこの間、私は、思わず唸ってしまうような番組を見付けました。
いえ、性格に言うならば、この番組は、以前にも日記で紹介したものですから、再発見ですが。
(興味のある方は、過去の日記、2005年6月22日『テレビ事情』をどうぞ。)

確かそれは、8月1日、建国記念日のことです。

その日、我が家のテレビは、偶然『アル・デンテ』という番組を映し出しました。

この番組は、料理とクイズを合わせたもので、一般人が食事に関する問題に答えている間に(優勝すると、スーパーの買い物券がもらえます)、プロの料理人が二人、調理をしてみせる、という内容です。

前回は、このクイズに関して日記を書きましたが、今回私の心をぐっと捉えたのは、調理の方でした。
この日は建国記念日ですから、その祝日に合わせた料理を作ることになっていました。

もちろん視聴者は、プロが造る独創的な料理を少しでも参考にしようと、番組を見るわけです。
かくいう私も、「へぇ、建国記念日用の料理か。これ見て、スイス料理のレパートリーを増やすかな」と、その番組を見始めたのです。

料理人は、男性と女性一人ずつ。

『ウーマン・リブの国スイス』に相応しく、料理を仕切るのは女性で、男性はアシスタント的な役目です。
ちなみに、この男性料理人がなかなかチャーミングでして、私としては彼をメインにして欲しいのですが……ぁ、そんなことは、どうでも良いですか?

さて、料理が始まると、女性料理人がおもむろに、材料を紹介します。
スイスの何処にでも売っているような、ソーセージが数種類と、何やら細かい物が少し。
このソーセージは、日本のものより遙かに大きくて、大人でも一本食べれば、十分満腹になります。

そのソーセージの中から一種類、茶色の物を選ぶと、女性料理人は言いました。
「このソーセージを縦に四等分して下さい」
言葉通り、数本のソーセージが綺麗に四等分され、トレイの上に置かれます。

次に女性調理人は、白いソーセージを手にしました。
「このソーセージは、カレー粉の上で転がして下さい」
転がされ、カレー粉まみれになった白いソーセージは、やはり先程のトレイの上に、慎重に置かれます。

「最後は、このソーセージをぶつ切りにし、これらの材料を突き刺します」
最初の物と同じ種類のソーセージが、今度は横に三等分され、酢漬けのキュウリやパプリカが、一本ずつ、無造作に刺されて行きます。
そしてこれも、慎重に同じパレットへ。

その後、女性料理人は、ソーセージの乗ったパレットを恭しく持ち運ぶと、
なんと!!!

……オーブンで焼きました。

こんな料理番組、画期的過ぎませんか?

2006年8月31日 (木)  猫、現る。(その後)

我が家に野良猫のM氏が来てから、約1ヶ月が過ぎました。

M氏自身はまだ、自分が我が家に飼われていることに、気付いていないらしく、時々奇妙な警戒をし、逃げてみたりもしていますが、毎日我が家で食事をし、眠るときも我が家で(段ボール箱で、M氏専用のベッドを作りました)ですので、我が家の一員になったと言っても、もう良いのではないかと思います。

M氏のお気に入りは、私が昼間ずっと畑に出ていることです。
そんな日は、周りで飛び跳ねて見せたり、私の行く所に付いて来たり、夜も一緒にテレビを見たりします。

ただ問題は、私以外の人間が来ると、急いで逃げますし、私自身でさえ、触れはするものの、捕まえることは出来ませんので、去勢が出来そうにないことです。
まだ完全な雄ではないので、例の「ピピッ」をやっても何も出て来ませんから良いですが、そろそろ手なづけないと、家の中が臭くなります。
「M氏よ、私を信じてくれ」

ということで、今日はM氏の癒し画像をどうぞ。







ぁ、それから、隣の牛小屋に、また仔猫が生まれました。
多分、3匹。
M氏に負けないぐらいの器量好しで、もの凄く可愛いのですが……これがまた、茶トラなのです。
1匹が黒のぶちで、2匹が茶トラ。

誰だ、茶トラばっかり産んでいるのは!

私の白猫計画が……

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