2011年8月3日 (水)  B氏の習性

我が夫B氏の仕事関係で、うちには時々おかしな物が現われます。

今回は砂。
きれいに整理されています。



建国記念日(8月1日)が近かったためか、小旗なんかで飾ってもあります。











でもそこ、食卓だから。

2011年8月11日 (木)  豊作

今年の我が家の畑では、豆がたくさん出来ました。

で、今日の私はというと、ネットで日本の番組を見ながら、えんどう豆の皮をちまちま剥いています。



文字通りバケツ一杯取れました。

これはまだ一部で、畑にはもう1〜2杯分なっています。

2011年8月22日 (月)  猛省

週末、我が夫B氏と湖に泳ぎに行きました。
ここ数年そうなのですが、今年の夏も寒かったので、これが今年初めての湖です。

あまり泳ぎが得意でない私は、一人足の着くところで、行ったり来たりと練習をしていました。
そんな様子を見ていたB氏は、優しく微笑みながら、デジカメでぱしゃり。

で、今、写っていた自分の画像を見て、が〜ん。

前からうすうす感じてはいましたが、いやぁ、ここまで酷いとは。
正直なところ、B氏が何故浮気をしないのか、不思議なぐらいです。
ひょっとして奴は、マニアなのか?

私、今日から痩せます。
本気で痩せます。
戒めのために、その衝撃写真はパソコンの背景画にしましたから。

……暫く、ビールは我慢すっかなぁ。

2011年8月26日 (金)  過去のある家 1

今日は、知人G嬢から聞いた不思議な話を一つ。

G嬢は、数年前からこの村でパートナーと暮らしています。
彼女達が住んでいる家は、私の所とは反対側の村外れにあり、家屋の後ろは庭に続いて森が広がっています。

G嬢達がこの村に越してきたのは、子供達が皆成人し巣立って行った為、以前住んでいた家が、幾らか大きすぎるようになったからです。
二人は以前の家を売り、この村にある小さな古い家を買い、自分たちでリフォームすることにしたのです。

古い家を買って自分でリフォームするというのは、スイスではごく普通のことですし、G嬢のパートナーは内装工事屋ですから、それはお手の物です。
子供が巣立った今、二人には時間もありますし、自分たちの理想の家作りをゆっくり楽しむことにしたのです。

スイスの古い家というのは、物によっては本当に古くて、例えば私が今住んでいる家などは、築300年です。
G嬢の購入した家がどのぐらい古いのか、はっきりしたことは知りませんが、それなりに古いのだろうことは、容易に想像が付きます。
つまり、その家には、過去に色々な人が住んでいただろう、ということです。

さて、家のリフォームを始めたG嬢達、折角ですから、裏庭から森へ続く小道も手入れをすることにしました。
G嬢は犬を飼っていますので、この小道を犬との散歩道にしようと思ったのです。

荒れ放題の空き地をある程度手入れして、足場をしっかりさせようと思ったG嬢は、その裏庭を少し掘ることにしました。

ところがその作業は、思わぬ大仕事になりました。
というのも、裏庭から大量にある物が出て来たのです。
否、否、違います、お墓関連とか遺跡とか、そういう庭に埋まっていても納得の出来る物ではないのです。

何と、それは、車のバッテリーです。
何処から集めてきたのか、何の為なのか、バッテリーだけが裏庭中に埋められていたのです。
ちなみに車のバッテリーは、有害物質が含まれているので、これは明らかに不法投棄です。

私の住む村は山の上の寒村ですから、自動車修理工場やスクラップ場が幾つもある町のように、自動的にたくさんのバッテリーが集まるなどということは、あり得ませんし、スイスは日本同様先進国ですから、そういったものを廃棄する業者や場所、システムはちゃんとあります。

また、G嬢の購入した家は、村の外れではありますが、すぐ隣に家が建っていますし、向かいは小学校ですし、裏には隣村へと続く舗装道もあります。
現在の状況では、業者が誰にも見付からずに、こっそりと不法投棄をしに来るような地理的条件には、ありません。

ということは、昔、誰かが要らなくなったバッテリーを大量に集めて来て、もしくは、少しずつ何度にも分けて運んで来て、わざわざこの土地に埋めたのです。
これは一体どういうことなのでしょう?

しかし、G嬢の家にまつわる不思議は、これだけでは終りませんでした。

                〜次回に続く〜

2011年8月31日 (水)  過去のある家 2

               〜前回からの続き〜

大抵の人がそうでしょうが、家をリフォームするにあたって、G嬢と彼女のパートナーもまずは屋内の各部屋を見て回り、ここは居間にしよう、ここは寝室、この部屋とこの部屋は壁を除いて一部屋にしよう、などというように全体の計画を立て始めました。

ところが、家の中を見て回るにつれ、何かがおかしいことに気付いたのです。
何というか、家の中の実際の空間が、あるべき大きさに比べ小さいような気がするのです。

分るでしょうか?
外から見た家の大きさと、実際中に入って感じる大きさが、合わないのです。
「玄関から家に入るとここがこうなって、次はこの部屋が来て、そうそうここにはこの部屋が来て、隣は、あれ、もう終り?」
というような感じなのです。

G嬢と彼女のパートナーは、各部屋を観察した結果、ある壁に穴を開けてみることにしました。
その壁のある位置が、二人には、不自然な印象を与えたからです。

で、その壁にハンマーで小さな穴を開けたところ、これがビンゴです。
やはり壁の向こうには、もう一つ、部屋と思われる空間が広がっているのが、覗いてとれます。

「へぇ、なんだろうね」
「何で一部屋潰したのかな?」
そんなことを言い合いながら、二人はその壁全体を壊し始めました。

ハンマーで叩いて壁のモルタルを崩し、最初の穴を少しずつ広げ、やっと人が通り抜けられる大きさになった時です。
埋め込まれていた部屋に踏み込んだ二人は、ぎょっとしました。

そこは、台所でした。
いわゆるダイニング・キッチンというやつで、部屋の一面に沿って調理台やシンクがあり、別の面には食器棚、そしてその中央に食卓と椅子、という具合です。

そうです、もう気付かれた方もいますね?
シンクや調理台があるというのは、問題なしですね。
まぁ、仮に造り付けだとして、食器棚があるのも良いでしょう。
でも、食卓と椅子まであるのは、変ですよね。

「ん???」という方に、では、こう言ったらどうでしょう?
食器棚は造り付けではなく、普通の家具の食器棚です。
食卓の椅子の一つは、小さな子供用です。

まだ分りませんか?
では、こう言ったら?
食器棚には、ぎっしりと食器が詰っています。
食卓には、数人分のナイフやフォーク、食べかけの食事が乗った皿やコップが、そのまま置いてあります。
シンクの中にも、洗っていない鍋や布巾が。

そうなのです!
何処かの家族が、皆で食事をしている最中に忽然と消え、誰かがそのまま部屋ごと塗り込めてしまった、とでもいうような状態なのです。
もちろん、食べかけの食事は腐り、カビが生え、原形は想像も出来ません。
一体、この家族に何があったのでしょう?

小説や映画なら、ナチス時代に何処かの家族をかくまっていたとか、頭のいかれた親父に閉じ込められていた母娘がいたとか、その部屋で未知の細菌に冒された家族が倒れていたとか、毎晩壁の中から猫の鳴き声がする、なんて話の一つや二つ出て来そうですよね。

でも、そこは現実。
この台所が何故こんな状態で塗り込められていたのか、この家族はどうなったのか、庭に埋まっていた車のバッテリーとの因果関係は何か、なんてことは全く分りません。
調べてもいないですし。

そして、G嬢と彼女のパートナーは、全てをきれいに片付け、二階に大きなテラスを増築し、庭に花をたくさん植え、大きな犬と共に快適に暮らしています。

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